2008年12月29日

来年こそは

 王座戦が終わり、会社の忘年会が終わり、そして有馬記念も終わった。いよいよ今年も終わろうとしている。

 年を取るほど月日が経つのが早く感じられるというが、今年の私にはそういう感覚はなかった。今年もやはり長かったというのが、正直な感想である。
 長いというのは、いろいろなことがあったということ。思うようにいかないことが、いろいろあったということ。ストレスが溜まり、それをなかなか消化できないでいる自分が、この1年はずっといた。
 充実した時間がなかったわけではない。仕事などの制約の中でも、それなりに趣味を楽しんできた。一時的に癒やされること、心が洗われることはあった。しかし、それは私の生活そのものを変えるには至らなかった。根底に流れる憂鬱は、どうすることもできなかった。
 最大の問題は、明るい未来が見えてこないということだ。このままではダメだと思い、今年はそれなりにあがいてみたが、結果は出なかった。ゆえに、今年も冴えないまま終わったという印象が強いのだ。

 そういえば、今年はブログの更新もあまりできなかった。前のブログと合わせて3年ほどやっているが、これほど更新頻度が下がったことはなかった(オフラインだった時期を除く)。
 忙しい時期が多かったし、私のサボり癖も理由の1つだろう。しかし、それでも書きたいことがあれば書くはずだ。1時間くらいなら、なんとか捻出できるのだから。
 ゆえに、来年はまず、楽しいことを次々として、書けることを増やしたい。そして、頻繁にブログを更新していきたい。小さな楽しみでもいい。短い文章でもいい。良い話題を文章にすることによって、心も明るくできるのではないか。
 来年こそは良い1年にできるように、小さなことからでも日常を変えていければと思う。
posted by せた at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月24日

ヒトカラ

 禁断の(と某君がブログで書いていた)ヒトカラなるものに行ってきた。祝日の夜10時前に入店し、1時間ほど1人で淋しく歌ってきた。

「今から1人っていけますか?」
「大丈夫ですよー」
 店員は平然としている。特に珍しいことでもないようだ。そこへ、大学生くらいの酔っ払いの集団が精算にやってくる。他にいるのは店員1人と私だけ。いきなり孤独感を覚えた。
 彼らが割り勘に手間取っている間に私は手続きを済ませ、部屋に入った。とりあえず飲み物の注文と曲の選択をしなければならない。仲間がいれば手分けしてやるところだが、1人でやるとちょっと面倒だ。次の曲を入れるのにも手間取るし、時間の無駄は多い気がした。
 途中から採点システムを作動させてみる。1人ということで、人前で歌ったことのない曲をいろいろ歌ったのだが、それらが使えるかどうかの判断基準として、採点システムは役立つだろう。
 採点を始めた1曲目で、いきなりこの機械のハイスコアを更新。もっとも、このハイスコアがどのようなものなのかわからない(ほとんど誰も使っていなかった可能性もある)ので、素直には喜べないが。まあ、感触が悪かった曲は点数も悪かったので、参考資料としては全くの無意味ではないだろう。

 1時間で退出。もう喉は限界に近かった。1人でぶっ通しというのは、けっこう消耗する。体力もかなり奪われたし、延長しようという気はまったく起こらなかった。
 歌いたかった曲はそれなりに歌えたが、試してみたい曲はまだたくさんある。大して金もかからないし、数週間から1ヶ月に1回くらいは、1人カラオケに行くのも良さそうだ。
 問題点を強いて挙げるとすれば、部屋の前を通りがかかった店員や他の客が、中をちらっと見ていくことだ。自意識が強いもので、「こいつ1人かよー」というような目で見られているような気がしてならないのだが…。
posted by せた at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月19日

渡良瀬の上流にて

「お茶どうぞ。今日は寒いでしょ」
 黒保根歴史民俗資料館の第1展示室を出た私に、予期せぬもてなしが待っていた。茶を出してくれたのは館員の女性で、いかにも田舎のおばちゃんという雰囲気だった。
 私が来ていたのは群馬県の桐生市(旧黒保根村)。わたらせ渓谷鐡道の水沼という駅で途中下車していた。ここで降りた目的は、駅に併設されている温泉に入るためだったが、次の列車まで1時間40分ほどあったので、駅の周辺案内にあった歴史民俗資料館に足を運んだのだ。DSCN0390.JPG
「温泉はもう入ってきた?」
「いやまだです。帰りに入ろうかと」
「あそこはあったまっていいよー」
 そんな感じで世間話が始まる。駅の温泉は今月の28日までとのこと。経営が苦しいという話は聞いていたが、それほどだったとは。残念ではあるが、今来ておいて良かった。
「トミヒロが絶対いいよ、このあたりだったら」
 話の中で私の今後の行程について聞かれ、未定だと答えると、こう強く勧められた。トミヒロとは、わたらせ渓谷鐡道の沿線にある富弘美術館のことだ。それはすぐにわかったが、この美術館について詳しくは調べていなかった(駅から遠いため)ので、少し戸惑った。
 茶を2杯飲んだところで世間話は終わり、第2展示室へ。第1展示室同様、特筆すべき点はない。地域にこういう資料館があること、地元の小中学生が地域の歴史を学べることに意義があるのだと思う。
 駅に戻って温泉に入る。設備は比較的新しくて先客も多く、とても深刻な経営状態とは思えない。休日だし、年内限りという話を聞きつけて来た人もいるだろうが。それはさておき、風呂のほうはなかなか良い湯で、露天風呂もあり、満足できるものであった。

「美術館、行きますか?」
 バスの運転手さんにこう聞かれたのは、神戸駅前でのことだ。ちなみにこの駅は「こうべ」ではなく「ごうど」と読む。先程の会話で出てきた富弘美術館の最寄駅だ。
 私が乗っていた列車はここで10分ほど停車するとのことで、私は荷物を持って駅を出た。富弘美術館に行くかは決めかねており、とりあえず美術館行きのバスの時刻を調べる。行きだけでなく、帰りも私にとって都合の良い時刻だった。これは行けということだろう。
 バスは大自然の中を進んでいく。乗客は私1人。途中でも誰も乗らず、信号などの障壁もほとんどなく、あっという間に富弘美術館に到着。湖のほとりにあり、晴れてきたこともあって、景色が非常に良い。対岸に見える山は、いくらか雪をかぶっている。DSCN0409.JPG
 500円払って美術館に入る。展示のほとんどが星野富弘氏の絵と詩だ。絵心がないので絵についてはよくわからぬが、詩は心を動かされるものが少なくなかった。
 凝った造りの館内を、ゆっくりと一回り。なんでもない日常から生み出される作品の数々に、いかに自分の心が荒んでいるか、思い知らされた。生活をいっぺんに変えることは無理でも、もう少し豊かな生活ができないものかな。まあ、そう思っただけでも1つの収穫であろう。
 あれこれと哲学的なことを考えながら美術館を出る。ここに来たのは大正解だった。黒保根歴史民俗資料館のおばちゃんに感謝しないと。

「こんにちは」
「あ、こんにちは」
「撮影ですか?」
 神戸駅の近くで写真を撮っていた私に、初老の女性が話しかけてきた。富弘美術館からバスで戻ってきた後、30分ほど時間が余ったので、私は駅周辺をぶらぶらと歩いていた。用事もないのに見ず知らずの人に声をかけられるのは、田舎ならではのことだ。DSCN0423.JPG
「寒いですねぇ」
 日本人が好む極めてオーソドックスな話題、天気の話がしばらく続く。前夜はかなり冷え込んだそうで、山の頂上付近の雪も、前日にはなかったとのこと。こんな話をしていたら、自分が東京から遠くに来ていることを実感する。なにしろ、日常生活では山の姿を見ることすらないのだ。
 しばらく話をした後、初老の女性は階段を降りて駅へ。列車が出るまでまだ20分ほどあるので、私はもうしばらく近辺をぶらついて何枚か写真を撮り、そして駅に戻った。

 東京での単身生活というのは、人と人との繋がりを実感する機会に乏しい。上司や同僚、取引先などは利害関係が介在する人間関係なので、無償の善意を感じることはあまりないのだ。たとえば、会社にお歳暮が届いても、「そういうしきたりだから」と思ってしまったら、心からの感謝の気持ちは持ち得ない。
 そんな生活にどっぷりと浸かっていた私が、2ヶ月ぶりに大都会を離れ、人の心の温かさに触れた。赤の他人なのに、何の得にもならないのに、私に話しかけてくれる人がいる。私をもてなしてくれる人もいる。それがとても新鮮で、ありがたいことのように感じられた。
 残念ながら、東京での生活ではこんな体験はできない。しかし、無償の善意を自分に向けてくれる人がいることは、忘れてはならないことだと思う。損得ばかりで生きていくのは、実につまらない人生だろう。
 月に1度くらいは、田舎に行こう。この日のようにうまくはいかないにしても、地元の人の心に触れることはできる。朝5時半に始まった長い1日を終えて、私はそう思った。
posted by せた at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月11日

東北秋旅・その6

 松島駅のホームに降り立ったのは、少し日が傾き始めた午後2時前のことだった。言わずと知れた日本三景のひとつ、松島の玄関口だが、ホームから絶景を見ることはできない。海までは少し距離があるのだ。
 まずはホームのベンチで食事。一ノ関で買った駅弁「前沢牛めし」だ。買ったのは1時前だったが、車内の状況から食べるのを遠慮しているうちに、こんな時刻になってしまった。DSCN0298.JPG
 弁当の箱に付いている加熱器を作動させ(紐を引くだけの簡単なものだ)ると、湯気とともに肉の香りが周囲に拡散する。これがあるので車内で食べなかったのだ。味の方は言うことなし。もう少しボリュームがあればなお良いが。
 駅で周辺の地図を入手し、外へ繰り出す。最初の目的地は新富山というビューポイントにした。歩いて10分ほどの距離だったが、山というだけあって、かなり傾斜のある坂を登り続けたので、けっこう疲れた。DSCN0307.JPG
 頂上には簡素な展望台があり、そこから松島湾を眺める。天気が良く、点在する島がよく見える。海岸沿いに街並みがあり、ホテルなどの大きな建物が目立つのが難点といえば難点だが、気になるほどでもない。
 何枚か写真を撮り、今度は海岸に向かって坂を下り続けた。海に近づき平坦になるにつれ、建物が増え人も増えてくる。海岸沿いの国道は、車も歩行者も相当な量で、ここが大観光地であることを実感させた。
 人の流れに乗り、小さな橋を数回渡って、小さな島にある五大堂へ。松島のパンフレットやポスターなどでも見かけるお堂だが、海を挟んで撮っているから独特の景観に見えるわけで、至近距離から見てもどうということはない。人が多く、楽しむ余裕もなかった。
 その後、松島海岸駅(先程の松島駅とは別の線)をめざして歩く。某政党の幹事長がこの後演説に来るらしく、その宣伝がやかましい。時候の良い晴天の休日だけに、人が集まり狙い目だというのはわかるが、風情が削減される感は否めない。
 松島海岸駅に着いたがまだ時間があったので、さらに先の方へ行ってみる。このあたりは山が迫ってきていて、観光客はそれほど多くない。海岸付近をぶらぶらと歩き、何枚か写真を撮った。
 松島海岸駅に戻り、仙台行の快速に乗る。座れたので睡眠をとろうと思ったが、隣席の男にもたれかかられ、眠れるような状況ではなくなってしまった。

posted by せた at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月03日

社団戦が残したもの

 社団戦が終わった。長く苦しい戦いが、ようやく幕を閉じた。
 チームの結果は良かった。初日に2敗を喫し、厳しい戦いを強いられたが、最後は入替戦を制して1部昇格を決めた。チームの一員として、それは素直に喜んでいる。
 しかし、私個人の成績は惨憺たるものだった。まるでチームの役に立たなかった。開幕前はかなり意気込んでいて、昨年以上に実戦をこなしていたが、結果は2勝6敗。情けないの一言である。緊急登板となった最終日の1局は、相手の仕掛けをうっかりしていて、全く話にならなかった。
 正直に言って、自分がこんなに使えないとは思わなかった。神将を支えた主力選手、関西個人戦ベスト8としてのプライドもあり、2部とはいえ指し分けが最低ラインだと思っていたが、それすら全く届かなかった。
 出ても負けてばかりというのは、本当につらいものである。団体戦とは苦しさの中に充実感を見いだすものだと思うが、あまりにも負け続けると充実感を持てなくなる。強豪がひしめいているチームでこれだけ役に立たないと、申し訳ない気持ちの方が強い。

「来年はどうしよう?」
 8月頃から、ずっと考えている。チームが2部なら残留してリベンジをめざすというのが有力だろうが、1部に昇級したとなると勝手が違う。おそらく、私の将棋ではほとんど通用しないだろう。1部で出ても、楽しくないし充実感もないのではないだろうか。
 選択肢は4つ。それでも1部で出る、3部のウエスタンBで出る、移籍もしくは新チーム結成、不参加。いずれかを選ぶことになるだろう。
 来年の社団戦が開幕する頃、自分がどうなっているか、そんなことは想像もつかない。転職も考えているし、結婚活動もしている。全く違う環境に置かれていることも考えられ、そうであることを望んでいる。
 ゆえに、今から来年のことを考えるのは、大して意味がないのかもしれない。私の環境だけでなく、ウエスタンの構成も変わっている可能性があるし、そうなるとチーム編成の都合も変わってくる。
 しかし、それでも私は迷っている。どれが正解かわからず、困っていると言うべきか。その時の状況が決めてくれるとは、とても思えない。
 将棋は、いや、将棋の団体戦は、私の人生において大きなウェイトを占めている。その団体戦といかに付き合っていくか、それは私にとって相当重要な問題なのである。

 今年の社団戦が残したものは、無力感と迷い。これを糧に…などというような気持ちには、今はまだなれない。しかし、そんな自分となんとか折り合いをつけていかなければとは思っている。
posted by せた at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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