2009年07月08日

社団戦記1 −背負いなれたプレッシャーとともに−

 大将の席に着く。盤から離れて座る。茶と目薬と扇子を机に置く。いよいよ、社団戦が始まる。
 社団戦は3回目だが、今回の自分の立場は、これまでとは違う。理屈抜きに自分が勝つこと、それが仕事である。昨年や一昨年と異なり、今年のチームには全国クラスの強豪はいない。ゆえに、自分くらいの実力の者がしっかり勝たなければならないのだ。
 そんな状況だから、プレッシャーはあった。しかし、それは昨年のプレッシャーよりははるかに健康的なものだった。昨年は強いチームの控え選手という立場で、自分が勝ってチームメイトに戦力として認めてもらわなければという思いで戦っていたのだが、それは劣等感からくるプレッシャーであり、弱いチームの主力選手を長年やってきた自分には違和感もあった。それに比べると、今回のプレッシャーは慣れ親しんだものだ。
 目標は12勝以上。勝率で言うと8割以上ということになる。一昨年は3部で6勝2敗だったから、4部で出る今回は、少なくともそれ以上の勝率を残さなければなるまい。あわよくば全勝という思いも、もちろんあった。
 しかし、不安がないわけではなかった。最大の問題は自分の性格である。落ち込むと立ち直れないから、昨年のように連敗地獄にハマってしまう恐れもある。4部だから最終的には指し分けくらいで凌げるだろうが、チームの戦力を考えるとそれで良いはずがない。
 自分の浮沈のカギは初戦だと思っていた。ここで負けると、昨年の悪夢がまたよみがえる。そうしないためには、とにかく勝つしかない。

 さて、その初戦は相掛かりになり、先手の私が先攻した。けっして成算があったわけではないが、駒組み合戦で持ち時間を使い果たす展開は避けたかった。秒読みには自信がないし、私の序盤力では駒組みが長いと不利だ。仕掛けていい勝負だと思ったら気合良く仕掛けようと、前々から決めていた。
09Jul06-1 42手.jpg 図は中盤戦。私が▲4五歩と突いたのに対し、△5三銀と駒を足されたところである。今見ると、7九の銀が私の焦りを物語っているような気がしなくもない。
 ここで少し考えて▲4四歩△同銀▲1五歩と攻める。これに対し、相手は5分以上考えて△2四銀。どう見ても非常手段という手である。ここで局面も心理面も優勢を意識。以下▲同銀△同歩▲1四歩とすると、△1二歩と受けられた。▲1四歩の瞬間が甘いので反撃があるかと思っていたが、相手は辛抱を選んだわけだ。しかし、▲4五歩からさらに攻め立てると、相手はあっさりと土俵を割った。71手で先手勝ち。
 こうして、今年の初戦は快勝となった。しかし、まだしっくり来ないような感触があった。たまたま結果オーライだっただけで、相手のちぐはぐな指し手に助けられたという感が否めなかったからだろうか。とにかく勝たなければならない立場だから、安堵感はもちろんあったが。
 チームは6-1。3部復帰に向けて、まずは好スタートを切ったと言えるだろう。
posted by せた at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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