2008年05月11日

ここ数日のこと Part2

 十数年前に毎日通った道を、私は自転車で進んでいた。目的地は我が母校である奈良県立郡山高校だ。
 長い下り坂を進み、幼稚園の手前で左に折れる。上り坂を登りきると、右手にグラウンドが見えてくる。いつものように野球部が練習をしている。数年に一度は甲子園に出るという名門だ。実績といえば将棋同好会も引けを取らず、個人戦ではこの10年で9回全国大会に出ているはずなのだが、高校の内部もいろいろな意味で格差社会である。
 3つある門のうち最もしょぼい西門をくぐり、キャンパスに入る。吹奏楽部の女の子が楽器を吹いている。これも十数年前と変わらない光景だ。
「おはようございます」
 その中の1人から挨拶されて戸惑う。OBになってからも何度かこの場所を通ったが、こんなことは1度もなかった。まあ、卒業してから10年も経つわけで、ちょっと遊びに来たOBの大学生というようには見えないはずだから、驚くようなことではないかもしれないが。
 南館の裏側に回りこみ、自転車置場に自転車を置く。将棋の県大会の会場となっている冠山会館は、もう目と鼻の先だ。

 会場の大部分を占拠している高校生は見慣れない顔ばかりだが、運営本部に座っている先生方は、十数年前からあまり変わらない。まずは挨拶を済ませ、観戦に入る。
 奈良県の高校の大会には、たいていOBが何人も現れる。今回も延べ6人が顔を出した。この先例を作ったのはほかならぬ私であり、私のささやかな自慢でもある。

 大会自体は、正直に言ってそれほどおもしろくなかった。母校の後輩はベスト16までに皆姿を消し、結果も個人・団体ともに大本命が危なげなく優勝したというものであった。また、本命と言っても、今年のレベルが低かったから圧倒的に強かっただけで、数年前の奈良県のレベルでは厳しかったと思われる実力に過ぎない。
 奈良県の高校の大会は十年以上見てきているが、これだけレベルが低いのは自分の世代以来である。自分の世代は、個人での全国大会出場が全くなかった。学年で最も強いのは私だったが、1年生のときは上の世代、2年生以降は下の世代に勝てなかった。
 しかし、レベルが低いというのは、それほど悪いことでもない。レベルが下がれば下がるほど、多くの選手にチャンスが生じる。それは、モチベーションの向上にもつながる。
 初心者からスタートして地道に頑張ってきた選手が日の目を見る。そんな時代があってもいいだろう。母校の後輩に限らず、1人でも多くの選手がチャンスを生かしてくれることを期待している。
posted by せた at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 将棋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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