2009年05月10日

充実の旅

「終わった〜」
 そう思ったのは、5月5日の昼前のこと。こんな感覚は、いったいいつ以来だろうか。達成感、安堵感、そして脱力感。自分が企画し、プランを立て、面子を募り、宿を手配し、資料を作り、現地においても幹事として緊張感を持ち続けた旅行。それを終えた時の感慨は、実に懐かしく、心地よいものだった。

 本格的に計画を立て始めてから約1ヶ月半、けっして平坦な道のりではなかった。3月下旬から4月上旬は仕事が非常に忙しく、計画を立てるには睡眠時間を削るしかなかった。効率は上がらず、リストアップした宿は次々と満室になっていった。
 面子集めも難航した。年を取るにつれて各人が抱えている物が増え、スケジュールの融通が利かなくなっているのだ。シャオリン氏の助力によって、なんとか宿に申し訳がたつ人数にすることができたが、彼の力がなければ痺れているところだった。
 出発前日、私は早めに仕事を切り上げ、会社のパソコンでせっせと資料を印刷した。怠け癖もあって、用意する暇をそれまで取れていなかったのだ。それを各個人用にまとめたのは当日朝の新幹線でのこと。こんなにギリギリまでバタバタしたのは、おそらく初めてだった。

 しかし、始まってしまえば、あとは楽なものだった。迷子になったりトラブルを起こしたりする者もなく、食事の時にはちゃんと全員が集まる。特に何もしなくても、たいていのことは自然に進行していく。ありがたいことである。
 2日目の朝、目的によって3グループに分かれたあたりで、もう大丈夫だという確信があった。集合、移動、観光、食事、睡眠と一通りのメニューをこなした中で、問題が起こりそうな気配がなかったのだ。
 そしてその翌日、特に何事もなく解散の時を迎えた。準備段階は長かったが、実際に旅行していた丸2日あまりの時間は実に短かった。それだけ、楽しく充実した旅行だったということだろう。

 イベントを終えて実感したのは、自分はこのような幹事仕事が好きだということ。そして、それが心の支えになってくれるということ。終わる前と終わってからでは、気持ちの張りがまるで違う。
 年のせいもあってか、最近は自分1人のために頑張ろうという気持ちにはあまりならない。結婚活動と転職活動はやっているが、それらは基本的に孤独な活動であり、楽しいものではない。目先の楽しさを求めるならば、他者のために何かをするほうが数段いい。
 ゆえに、今後も数ヶ月に1度はイベントを企画していきたいと思う。そうやって気持ちの張りを維持していくことが、個人としての活動にも良い影響を及ぼすだろう。他者の迷惑にならない程度に、頑張っていく所存である。
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2009年04月30日

田舎歩き

 群馬県に行ってきた。用事があって出かけたのだが、不慮の事故によりそれがキャンセルになり、そのまま帰京するのはもったいないということで、群馬をぶらぶらしてきた。
 用事がキャンセルになったのは午前10時過ぎ、私は高崎駅にいた。とりあえず本屋に行って周辺の観光などの情報を収集する。そして、上信電鉄というローカル私鉄に乗ってみることにした。乗り慣れたJRではなく、私鉄で田舎に行ってみようと思ったためだ。
 朝が早かったうえに前日までの疲れがまだ残っていたので、途中下車は復路に回して、終点の下仁田(しもにた)まで行く。さきほど上野から高崎までずっと寝ていたにもかかわらず、まだ眠気が取れない。車窓の風景がそれほどでもなかったこともあって、途中で眠りに落ちた。
 目を覚ましたのは終点・下仁田の手前。いつの間にか車窓から見える人家は減り、緑の山々が目立つようになっていた。のどかでいいところのように思われたので、このあたりを歩いてみることにした。
 地図で見たところ、下仁田駅から1つ手前の千平(せんだいら)までの距離は3kmばかり。歩くのにはちょうど良い距離だろう。千平駅の近くには不通渓谷というプロットが置かれており、それにも興味を引かれた。
 まずは広い道路を進んでいく。それなりに家屋や店もあるが、東京に比べたらのどかなものだ。道路に沿って流れる川は深い谷を形成していて、橋と水面とではかなり標高差がある。ほとりには八重桜が植えられていて、まだ花が咲いていた。また、畑があちこちにあり、土のにおいが漂っている。東京はもちろん、地元の大和郡山でもめったに感じることのない香りだ。DSCN0613.JPG
 寄り道をしながら小1時間歩いたあたりで、「←不通渓谷」という標識を発見。ローマ字表記を見て初めて気付いたのだが、「ふつうけいこく」ではなく「とおらずけいこく」と読むようだ。もちろんここで左折。途中で道を間違えたりもしたが、無事に渓谷にたどり着いた。ものすごい絶景というわけではないが、なかなか良い景色だった。
 DSCN0619.JPG
 そこから5分ほど歩いて千平駅に到着。簡素な造りの無人駅だが、それなりに風情があった。次の高崎行きの発車まで30分ほどあったが、疲れていたので動き回らず休憩。そして、乗り込んだ電車の中で、私は再び眠りに落ちた。

 月に1度くらいは田舎に行こうと思ったのは、昨年の12月のことだったか。その後、1月こそ信州方面に出かけたものの、2月3月とどこにも行けなかった。窮屈な都会にずっとこもっていたわけだ。しかし、心身の健康を考えると、それは好ましい状態であるとは言えない。
 今回下仁田方面に行ったのは当初の予定が変更されたためであり、本来の目的を果たせなかったことは残念である。しかし、その割には良い過ごし方ができたのではないかと思う。
 また機会を見つけて、田舎散歩を楽しみたいものである。
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2009年02月03日

信州小旅行・前編

 出発は昼。久々の休日ということもあっていろいろとすることがあり、すっかり遅くなってしまった。地下鉄の車内で時刻表を取り出し、大まかな行程を確認する。今回は青春18使用だが、とりあえずこの日のうちに長野までは行けるようだ。
 寒い時期の豪雪地帯ということで、近年の旅行にしては移動時間が長く、途中下車を少なくした。その代わり、車窓の風景を楽しもうという狙いである。数ヶ月前に読んだ『日本の鉄道絶景100選』という本で選ばれている絶景が、今回のルートには4ヶ所ある。他の区間も自然の豊かなところが多いから、退屈はしないだろう。
 錦糸町から総武線に乗り、御茶ノ水で中央線特別快速に乗り換えて高尾へ。ここで甲府行に乗り換えると、いきなり景色が変わった。左右に山が迫ってきて、関東平野を出ていくことを実感する。いよいよ非日常の世界だ。
 所々に雪が残っている山岳地帯を越えて甲府盆地へ。弧を描くようにして盆地に入っていく勝沼ぶどう郷−塩山間が、先の本で採り上げられていた絶景だ。左手には甲府盆地が一望でき、その向こうには南アルプスの山並みが見える。期待に違わぬ風景だった。
 盆地に入ってしまうと平凡な景色になり、しばらくして甲府に到着。ここでは20分ほど待ち時間があり、駅前にある武田信玄の銅像を撮ったり、駅ビルの本屋を冷やかしたりして過ごした後、小淵沢行に乗り込んだ。
 甲府の3駅先の韮崎から小淵沢を経て富士見までの区間も、例の本で採り上げられていた絶景区間だ。既に午後4時を回り、日はずいぶん西に傾いたが、まだ景色は見える。既に冬至から3週間が経ち、多少は日が長くなった気がした。
 日野春という駅で特急退避のため8分ほど停車。暇だし景色も良さそうなので外に出る。駅舎のすぐ前が谷になっていて、斜面から反対側の山並みを撮った。民家の飼い犬に吠えられるというハプニングはあったが、乗り遅れることもなく無事に駅に戻った。DSCN0445.JPG
 韮崎のあたりは右に盆地、左に山並みという景色だったのだが、しだいに両側とも山が迫ってきて、小淵沢に到着。ここでの連絡時間は13分。やはり外に出て、町や山をカメラに収めた。最近は10分程度の待ち時間なら駅でおとなしくしていることが多かったのだが、どうもこの日はそんな気分ではなかった。多少は運動にもなるし、悪いことではないだろう。
 この13分の間に空はすっかり暗くなり、発車後は特に何をするでもなく過ごす。車内はガラガラだが、少し離れたところに陣取っていた地元のおっちゃん軍団の話がうるさく、眠るような状況ではない。3連単がどうこうなどと言っているので少し気になったが、詳しい内容はわからずじまいだった。
 午後6時頃、上諏訪で途中下車。目的は温泉である。周辺地図で共同浴場「片倉館」の場所を確認し、人気のほとんどない道を歩く。所々に雪が残っているが、歩行に支障が出るほどではなかった。
 10分ほど歩いてたどり着いた片倉館は、かなりの歴史を持つ洋風建築である。隣にも風格のある洋館があり、こちらは美術館なのだが、残念ながら開館時間外だ。建物の手前の庭にはイルミネーションが飾られている。こういうのは不要だと私は思うのだが。DSCN0467.JPG
 片倉館の料金は500円だが、脱衣所のロッカーに50円かかるので、実質550円だった。50円とはいえ、損をした気がしなくもない。肝心の湯は、やや熱めで体がよく温まる。底に小石が敷かれた深い(1mくらいはあった)湯船も個性的でおもしろい。
 片倉館を出た後、少し歩いて諏訪湖へ。湖と対岸の夜景をしばし眺め、写真を数枚撮る。湖はほぼ真っ暗で対岸も小さな街なので、何を撮ったのかよくわからなかったが。時間が少しあったので、この日の宿の予約を取っておいた。長野駅から徒歩15分、素泊まり3500円のホテルに決定。
 駅に戻り、ビールとつまみを買って松本行に乗車。車内はガラガラで、のんびりとビールを飲みつつ、翌日の行程を考える。50分ほどで松本に到着。
 松本から乗った快速長野行きは、なんと特急用の車両を使用していた。これは思いがけぬ幸運だ。席をリクライニングさせてくつろいでいるうちに睡魔に襲われ、ほどなく眠りについた。
 この列車で通る冠着〜姨捨の区間も有名な絶景区間で(日本三大車窓の1つとされている)、例の本でも採り上げられている。前述のように私は眠っていたのだが、このあたりで景色を説明する車内放送が入り、目を開けて夜景を眺めた記憶は残っている。夜でも、車窓から見下ろす善光寺平は確かに絶景であった。
 松本から1時間ほどで長野に到着。ホテルは市街地とは反対方向で、人の少ない通りを15分ほど歩いた。ホテルの近くに飲食店がほとんどなく、チェックイン後にフロントで聞いたら「近くだとバーミヤンがという中華レストランがあります」とのこと。駅まで戻るのは面倒なので、夕食はバーミヤンで済ませたが、長野ならではの店に入れなかったはちょっと心残りである。
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2008年12月19日

渡良瀬の上流にて

「お茶どうぞ。今日は寒いでしょ」
 黒保根歴史民俗資料館の第1展示室を出た私に、予期せぬもてなしが待っていた。茶を出してくれたのは館員の女性で、いかにも田舎のおばちゃんという雰囲気だった。
 私が来ていたのは群馬県の桐生市(旧黒保根村)。わたらせ渓谷鐡道の水沼という駅で途中下車していた。ここで降りた目的は、駅に併設されている温泉に入るためだったが、次の列車まで1時間40分ほどあったので、駅の周辺案内にあった歴史民俗資料館に足を運んだのだ。DSCN0390.JPG
「温泉はもう入ってきた?」
「いやまだです。帰りに入ろうかと」
「あそこはあったまっていいよー」
 そんな感じで世間話が始まる。駅の温泉は今月の28日までとのこと。経営が苦しいという話は聞いていたが、それほどだったとは。残念ではあるが、今来ておいて良かった。
「トミヒロが絶対いいよ、このあたりだったら」
 話の中で私の今後の行程について聞かれ、未定だと答えると、こう強く勧められた。トミヒロとは、わたらせ渓谷鐡道の沿線にある富弘美術館のことだ。それはすぐにわかったが、この美術館について詳しくは調べていなかった(駅から遠いため)ので、少し戸惑った。
 茶を2杯飲んだところで世間話は終わり、第2展示室へ。第1展示室同様、特筆すべき点はない。地域にこういう資料館があること、地元の小中学生が地域の歴史を学べることに意義があるのだと思う。
 駅に戻って温泉に入る。設備は比較的新しくて先客も多く、とても深刻な経営状態とは思えない。休日だし、年内限りという話を聞きつけて来た人もいるだろうが。それはさておき、風呂のほうはなかなか良い湯で、露天風呂もあり、満足できるものであった。

「美術館、行きますか?」
 バスの運転手さんにこう聞かれたのは、神戸駅前でのことだ。ちなみにこの駅は「こうべ」ではなく「ごうど」と読む。先程の会話で出てきた富弘美術館の最寄駅だ。
 私が乗っていた列車はここで10分ほど停車するとのことで、私は荷物を持って駅を出た。富弘美術館に行くかは決めかねており、とりあえず美術館行きのバスの時刻を調べる。行きだけでなく、帰りも私にとって都合の良い時刻だった。これは行けということだろう。
 バスは大自然の中を進んでいく。乗客は私1人。途中でも誰も乗らず、信号などの障壁もほとんどなく、あっという間に富弘美術館に到着。湖のほとりにあり、晴れてきたこともあって、景色が非常に良い。対岸に見える山は、いくらか雪をかぶっている。DSCN0409.JPG
 500円払って美術館に入る。展示のほとんどが星野富弘氏の絵と詩だ。絵心がないので絵についてはよくわからぬが、詩は心を動かされるものが少なくなかった。
 凝った造りの館内を、ゆっくりと一回り。なんでもない日常から生み出される作品の数々に、いかに自分の心が荒んでいるか、思い知らされた。生活をいっぺんに変えることは無理でも、もう少し豊かな生活ができないものかな。まあ、そう思っただけでも1つの収穫であろう。
 あれこれと哲学的なことを考えながら美術館を出る。ここに来たのは大正解だった。黒保根歴史民俗資料館のおばちゃんに感謝しないと。

「こんにちは」
「あ、こんにちは」
「撮影ですか?」
 神戸駅の近くで写真を撮っていた私に、初老の女性が話しかけてきた。富弘美術館からバスで戻ってきた後、30分ほど時間が余ったので、私は駅周辺をぶらぶらと歩いていた。用事もないのに見ず知らずの人に声をかけられるのは、田舎ならではのことだ。DSCN0423.JPG
「寒いですねぇ」
 日本人が好む極めてオーソドックスな話題、天気の話がしばらく続く。前夜はかなり冷え込んだそうで、山の頂上付近の雪も、前日にはなかったとのこと。こんな話をしていたら、自分が東京から遠くに来ていることを実感する。なにしろ、日常生活では山の姿を見ることすらないのだ。
 しばらく話をした後、初老の女性は階段を降りて駅へ。列車が出るまでまだ20分ほどあるので、私はもうしばらく近辺をぶらついて何枚か写真を撮り、そして駅に戻った。

 東京での単身生活というのは、人と人との繋がりを実感する機会に乏しい。上司や同僚、取引先などは利害関係が介在する人間関係なので、無償の善意を感じることはあまりないのだ。たとえば、会社にお歳暮が届いても、「そういうしきたりだから」と思ってしまったら、心からの感謝の気持ちは持ち得ない。
 そんな生活にどっぷりと浸かっていた私が、2ヶ月ぶりに大都会を離れ、人の心の温かさに触れた。赤の他人なのに、何の得にもならないのに、私に話しかけてくれる人がいる。私をもてなしてくれる人もいる。それがとても新鮮で、ありがたいことのように感じられた。
 残念ながら、東京での生活ではこんな体験はできない。しかし、無償の善意を自分に向けてくれる人がいることは、忘れてはならないことだと思う。損得ばかりで生きていくのは、実につまらない人生だろう。
 月に1度くらいは、田舎に行こう。この日のようにうまくはいかないにしても、地元の人の心に触れることはできる。朝5時半に始まった長い1日を終えて、私はそう思った。
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2008年12月11日

東北秋旅・その6

 松島駅のホームに降り立ったのは、少し日が傾き始めた午後2時前のことだった。言わずと知れた日本三景のひとつ、松島の玄関口だが、ホームから絶景を見ることはできない。海までは少し距離があるのだ。
 まずはホームのベンチで食事。一ノ関で買った駅弁「前沢牛めし」だ。買ったのは1時前だったが、車内の状況から食べるのを遠慮しているうちに、こんな時刻になってしまった。DSCN0298.JPG
 弁当の箱に付いている加熱器を作動させ(紐を引くだけの簡単なものだ)ると、湯気とともに肉の香りが周囲に拡散する。これがあるので車内で食べなかったのだ。味の方は言うことなし。もう少しボリュームがあればなお良いが。
 駅で周辺の地図を入手し、外へ繰り出す。最初の目的地は新富山というビューポイントにした。歩いて10分ほどの距離だったが、山というだけあって、かなり傾斜のある坂を登り続けたので、けっこう疲れた。DSCN0307.JPG
 頂上には簡素な展望台があり、そこから松島湾を眺める。天気が良く、点在する島がよく見える。海岸沿いに街並みがあり、ホテルなどの大きな建物が目立つのが難点といえば難点だが、気になるほどでもない。
 何枚か写真を撮り、今度は海岸に向かって坂を下り続けた。海に近づき平坦になるにつれ、建物が増え人も増えてくる。海岸沿いの国道は、車も歩行者も相当な量で、ここが大観光地であることを実感させた。
 人の流れに乗り、小さな橋を数回渡って、小さな島にある五大堂へ。松島のパンフレットやポスターなどでも見かけるお堂だが、海を挟んで撮っているから独特の景観に見えるわけで、至近距離から見てもどうということはない。人が多く、楽しむ余裕もなかった。
 その後、松島海岸駅(先程の松島駅とは別の線)をめざして歩く。某政党の幹事長がこの後演説に来るらしく、その宣伝がやかましい。時候の良い晴天の休日だけに、人が集まり狙い目だというのはわかるが、風情が削減される感は否めない。
 松島海岸駅に着いたがまだ時間があったので、さらに先の方へ行ってみる。このあたりは山が迫ってきていて、観光客はそれほど多くない。海岸付近をぶらぶらと歩き、何枚か写真を撮った。
 松島海岸駅に戻り、仙台行の快速に乗る。座れたので睡眠をとろうと思ったが、隣席の男にもたれかかられ、眠れるような状況ではなくなってしまった。

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2008年11月25日

東北秋旅・その5

 朝7時45分、北上行の列車が横手駅を出発。前日ほどではないが、この日も早いスタートだ。東側の席に陣取ったので、朝日が眩しい。とりあえず缶コーヒーとパンで朝食を済まし、その後は時刻表で行程を確認して過ごした。
 ほっとゆだという駅で降りる。ここで途中下車した理由は、駅舎内に温泉銭湯があるからである。せっかく東北に来たのだから、やはり温泉はぜひ行っておきたいところだ。
 改札を出て、まず銭湯へ。250円は安い。規模としては小さいが、先客はけっこういる。地元のおっちゃんが朝風呂に来ているようだ。連れ立って来ていて大きな声で喋るので、いささか肩身が狭い。
 湯船に足をつけて驚く。熱い。じっと浸かっていられるのは1〜2分だ。地元のおっちゃん達もここは熱いと言っている。このあたりは小規模の温泉が多いから、おそらくいろいろ行っているのだろう。
 風呂から上がり、少し休憩して午前9時。駅前の観光案内所が開く時刻で、私はさっそくそこでレンタサイクルを借りた。次の列車は10時48分発なので、まだ2時間近くある。ここはサイクリングを楽しむ一手だ。もちろん、近辺の地図もいただいて行く。DSCN0266.JPG
 この駅と温泉は、錦秋湖というダム湖のすぐ近くにあり、自転車を1分もこぐと、湖畔にたどり着いた。人工の湖ではあるが、山に囲まれた湖というのは風情があり、景色も美しい。
 湖に沿って自転車を走らせる。この湖は東西に長く、瓢箪のような形をしており、地図によると手頃な場所に橋がある。この橋を利用し、ぐるっと回って駅に戻ってくれば良いだろう。
 予定通り橋を渡り対岸へ。右側は山が迫っており、落石注意の標識がある。ほかに、クマ出没注意という旨の看板もあった。人の気配は全くなく、1人で通るのは若干心細い。
 しばらく進むと周囲が開けてきた。公園があり、人が何人かいるようだ。そのそばには川が流れていて、湖との境にはダムが設置されている。DSCN0286.JPG
 公園を抜けてダムの方に行ってみる。ここは貯砂ダムらしく、詳しくはわからぬが砂を貯められるような仕組みになっているのだろう。一般人の通行も可能で、ちょうど滝の裏側に入れるようになっていた。目の前を大量の水が落ちていくのは、なかなか迫力がある。
 さらに自転車を走らせ、駅の方へ向かう。これと言って見るべき物もなく、予想以上に早く進んだ。そのため20分ほど時間が余ってしまったが、特に何をするでもなく、先頭のカウンターも兼ねている駅の売店で地元産の牛乳を買って飲んだくらいだった。
 そして、予定通り北上行の列車に乗り込む。けっこう混雑していたが何とか空席を見つけ、北上まで一眠りした。
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2008年11月17日

東北秋旅・その4

 酒田を15時37分に出た東能代行は、秋田へと北上していく。私は特にすることもなく、携帯電話で競馬の結果を調べるなどして、のんびりと過ごした。
 次第に太陽が西に傾いてくる。17時頃には日が暮れるだろう。この先の区間は海沿いを通るはずなので、うまくいけば海に沈む夕日を眺められるかもしれない。
 ガラガラの車内でそんなことを考えていたのだが、この平和な時間はあっけなく終わってしまった。途中の駅でハイキング帰りの客が大量に乗ってきて、立ち客も出るほどの状態になったのだ。数人のグループがいくつもあるようで、それぞれ雑談で盛り上がっていて、かなり騒がしい。
 やがて、電車は海岸沿いにさしかかる。車窓からは夕日が見えるらしく、興奮している客が多い。私は海側の席で山側を向いて座っていたのだが、反対側の席から人が押し寄せてきて、息苦しいほどだ。首を回せば海に沈む夕日を眺められることはわかっていたが、そんな気にもならなかった。スペースが狭くて他の客にぶつかりそうで、他人に迷惑をかけてまで見ようとは思わなかったのだ。
 車内から夕日を見る代わりに、私は電車を降りた。下浜という駅だった。この日は横手まで行く予定で、1本後の電車でも20時前には横手に着く。すなわち、あと1回途中下車できるのだ。ならば、この喧騒を回避し、静かな海を眺めるのがいい。
 駅を出たところにコンビニがあり、その右手には海岸へと下っていく階段がある。「下浜海水浴場」の表示もある。コンビニに立ち寄った後、階段を下る。
 数分歩いて砂浜に入る。海水浴場だけあって、夏は海の家として稼動しているらしい建物もいくつかあった。誰もいないだろうと思っていたが、1つだけ人影があった。誰もいないよりかえって不気味だ。
 太陽は雲に隠れていたが、夕焼けは美しい。波打ち際まで歩き、何枚か写真を撮った。風がきつく、かなり寒い。ずっとここにいたら風邪を引きそうだ。とりあえずコンビニに戻り、ホットドリンクを買って、駅のベンチで飲んだ。DSCN0237.JPG
 まだ時間はたっぷりある。そこで、少し休憩した後、再び海岸に下りた。当然ながら、先程よりも暗くなっている。再び景色をカメラに収める。
 駅に戻り、再び先へ進む。今度はうるさい行楽客もおらず、撮った写真を見るなどしてのんびりと過ごした。秋田で湯沢行に乗り換え、本日の最終目的地である横手に向かう。

 横手に着いたのは夜の8時前。まだ宿をとっていなかったので、駅前にあったビジネスホテルに電話してみる。1泊素泊まり4500円とのことで、即座にここに決定。それ以上に節約しなければならないという局面ではない。
 荷物を置いて少し休んだ後、夜の街に繰り出す。目的は名物・横手焼きそばを食べることだ。駅に広告を出している店に行ってみたが、臨時休業だったので、駅前にある居酒屋に入る。ここでも横手焼きそばを食べることができ、実はけっこう有名店のようだ。
「なんにする?焼きそば?」
 見知らぬ客を見た店員のおばちゃんは、こう声をかけてきた。おそらく私のような旅行者はけっこういるのだろう。
「とりあえずビールで」
 少し酔ったところで、待望の横手焼きそばをいただく。焼きそばの上に目玉焼きが乗っているのが特徴だ。肉は挽き肉を使っており、これも珍しい。名物だけあって、味はなかなか良かった。卵と焼きそばは相性が良い。欲を言えば、もう少しボリュームがあればなお良かったが。
「あら、色男」
 支払いをしようとした際、店員のおばちゃん(さっきの人とは別人)にこう言われて、「どこがやねん」とツッコミを入れたくなった顔面真っ赤の酔っ払いがいたことは内緒である。

 こうして、朝5時前から始まった長い1日が終わった。無事に1日を終えた喜びよりも、あと1日で非日常が終わることによる憂鬱さの方が大きかった・
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2008年11月02日

東北秋旅・その3

 酒田に着いた私は、まず駅構内の観光案内所へ。レンタサイクルを借りようと思ったのだが、残念ながら全て貸出中とのこと。仕方がないので、パンフレットの類をいくつかもらって街へ繰り出す。
 まずは駅の北西にある本間美術館へ。ここは、日本一の大地主と言われた本間家の別荘「清遠閣」と庭園、企画展のある新館からなるスポットだ。まず新館に入り、1kmほど離れた本間家旧本邸との共通券(1400円)を購入。続いて新館を一通り回ったが、企画展が書道に関するもので、私には全くわからず、早々と退出した。
 庭園を通って清遠閣に向かう。有名な大名庭園にはさすがに見劣りするものの、規模も大きく美しい庭だった(写真上)。鶴岡ではずっと晴れていたのに、ここに来て空が曇ってきたのは少し残念。清遠閣も趣向が凝らされた建物で、なかなかおもしろかった。DSCN0145.JPG
 その後、15分ほど歩いて本間家旧本邸へ。昼食がまだなので、途中に適当な店があれば入ろうと思っていたが、何も見つからぬまま目的地に到着。ここは屋敷と別館(店舗)が公開されているのだが、先に別館から入る。ここは本間家が使用していた商売道具などの資料展示もあり、土産物の販売も行われていた。団体客が多く賑やかだが、逆に自分は浮いているような感じで、早々に脱出した。
 次に向かいの屋敷へ。本間美術館で買ったチケットを出し、中に入って適当に見学していると、スタッフの女性に呼び止められる。今から説明が行われるらしい。
 入口近くに集まった客は、20人くらいはいただろうか。中年〜初老の人が多く、孫らしき少年を連れた人もいる。着物の女性の説明は、年季の入ったバスガイドさんという感じで、1対1だった鶴岡の旧風間家「丙申堂」とはずいぶん違った。
 説明によると、ここは幕府の役人が泊まるために用意された武家造の部分と、本間家が使用する商家造の部分に分かれていて、素材等も全く異なっているという。言われるまで気付かなかったが、確かに説明を聞くと一目瞭然だ。他の説明もわかりやすくおもしろかったのだが、建物の中を集団でぞろぞろ歩いていると、自分がツアー客になったみたいで、いささか妙な気分だった。何を見るにも良い位置は取れないし、快いものではない。
 ここは撮影禁止だったので、集団で邸内を一通り回った後、すぐに外へ出た。次の目的地は徒歩数分のところにある旧鐙屋だ。引き続き市街地を通るのだが、やはり食事に適当な店はない。しかし、時間の余裕もないので、無理に探すことはせず旧鐙屋へ直行した。
 旧鐙屋は江戸時代に栄えた廻船業者で、入ってすぐの所に船のミニチュアがある。スタッフが数名のグループに対して概要の説明をしていて、その終了後には私1人に対しても説明をしてくれた。DSCN0175.JPG
 ここも屋根には石が使われていて、数年前に全面的な解体修理をしたばかりだとか。確かに柱や壁は比較的新しいように見える。人形を使って江戸時代の様子を再現しているところもあった(写真中)。この日だけで商家はいくつも回ったが、それぞれ見せ方にも個性があって、実におもしろい。
 ここは撮影自由だったので、何枚か写真を撮った後脱出。次は10分ほど歩いて山居倉庫へ。ここは米を貯蔵した倉庫が並んでかおり、一部は土産物屋や資料館になっているものの、残りは今も現役の倉庫だとか。
 入口付近はかなり混雑していたが、先へ進むとそれほどでもなかった。ショッピングをしている人が多いようだ。木造の倉庫が十数棟並び、ケヤキの大木がそれと平行に列を成しているさまは、壮観であった(写真下)。DSCN0202.JPG
 倉庫の1つを利用した庄内米資料館などにも寄りたかったが、時間がないので断念。歩いて駅に戻ることにする。依然として空腹感は相当なものだが、もう駅で何か買う以外にない。
 途中で酒田町奉行所跡を発見。小さな祠と奉行所のミニチュアが乗った石碑がある以外は、ただの空き地という感じだった(ミニチュアはよくできていたが)。灯籠状のボックスにパンフレットが入っていたので、1部いただいて行く。
 酒田の街を少々急ぎ気味に歩き、駅に帰り着く。キヨスクでサンドイッチと缶コーヒーを買い、秋田方面東能代行きの電車に乗り込んだ。


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2008年10月20日

東北秋旅・その2

 私はぶらぶらと歩いた。めざすは鶴岡公園(鶴ヶ岡城址)を中心とする、史跡が集まるエリアだ。しかし、主な施設は9時からしか入れないので、まっすぐ行くと時間が余ってしまう。寄り道をしながら行けば、良い時刻になるだろう。
 ちょっとした史跡に立ち寄ったり、川を泳ぐ鴨の写真を撮ったりして(鶴岡は実にカモが多い!)時間を潰し、鶴岡公園に到着したのはちょうど9時頃であった。
 私がたどり着いた入口の先には鳥居があり、奥には神社の社殿が見える。これはよくあることだが、左手に動物の檻が2つあるのは珍しい。1つには猿、もう1つには孔雀や鶏などの鳥類が飼われていた。無料で見られるのは良いが、飼育費に見合う集客力があるかは疑問だ。
 堀の向こうに白壁の洋風建築が見えたので、まずはそこに行ってみる。大宝館という大正時代の建物で、中は明治以降の庄内の人物を紹介する資料館になっていた。手短に見学を済ませ、再び堀の外へ。
 次に訪れた致道博物館は、今回の旅で最も楽しみにしていた施設だ。ここの敷地内には庄内地方の古い建物が集められていて、庄内藩酒井家の庭園もあるという。愛知県にある明治村の小型版のようなものだろうか。
 この予想は全くの外れではなかったのだが、こちらは街中ということで敷地が狭い。中には新しい建物もあり、全体的に窮屈な印象を受けた。順路があるようなので、1つずつ順番に見ていくことにする。DSCN0066.JPG
 それぞれの詳細は省略するが、歴史のある建築物は、いずれも相応の風情があり、なかなかおもしろかった。博物館というだけあって、中に展示のある建物がほとんどだが、内部に関して特に良いと思ったのは、養蚕農家の内装を残している旧渋谷家住宅(写真上)くらいだった。まあ、700円という料金を考えると、こんなものだろうか。
 続いて庄内藩校「致道館」を訪ねる。江戸時代の藩校の建物の一部が今も残っていて、内部も見学できる(写真中)。藩校の歴史や概要についての展示もおもしろかった。無料ということもあって、ここは大満足。DSCN0087.JPG
 次は少し歩いて旧風間家住宅「丙申堂」へ。ここは明治時代に建てられた商家で、初老の女性が内部を案内してくれた。まさか単独の客に案内が付くとは。客が少なく人手が余っているのだろうが、それにしても驚いた。
 この家の最大の特徴は、瓦ではなく石を置いた屋根だとのことで、2階に案内されて窓から眺める(写真下)。確かにこれは珍しい。その後、1階も一通り案内してもらい、写真も何枚か撮った(ここは撮影自由)。DSCN0098.JPG
 少し歩いて風間家の別邸「釈迦堂」へ。これも明治時代の建物らしい。こちらは案内こそなかったが、純和風の建築と庭園を堪能できた。料金は丙申堂、釈迦堂共通で400円。鶴岡の施設はどこも良心的だ。
 釈迦堂を出たのは11時半頃。鶴岡駅12時12分発の列車で酒田に向かう予定なので、そろそろ時間がなくなってきた。できれば鶴岡で昼食を取りたかったのだが、適当な店はなく、店を探す時間もない。近くのバス停まで少し歩き、バスで鶴岡駅へ移動。
 予定通りの列車に乗り込む。朝起きたのが5時前で、鶴岡でもかなり歩いて疲れていたため、あっという間に眠ってしまった。
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2008年10月17日

東北秋旅・その1

「庄内に行こう」
 そう思い立ったのは、もう半年以上も前のことだった。酒井氏の城下町・鶴岡と海運業で栄えた港町・酒田。ネット等で調べれば調べるほど、どちらも魅力的に感じられた。
 庄内地方を通ったことは、何度もある。秋田、青森方面に行く際、たいてい経路になるからだ。しかし、なるべく遠くへ行きたいという気持ちもあってか、鶴岡や酒田で途中下車して市内観光を楽しむということはなかった。今から思えば、もったいないことをしていた気がしなくもない。
 この半年あまりの間、具体的にプランを立てたことは何度かあり、夜行列車の座席指定を取ったこともあった。しかし、諸々の事情により、実現には至らなかった。
「やっと行ける」
 これが、出発にあたっての正直な思いだった。

 10月12日の午前5時前、新潟駅で夜行快速ムーンライトえちごを追い出された(終点だから当然だが、時間帯からしてそんな気持ちになる)私は、快速村上行きに乗り継ぐ。意外によく眠れたためか、車内がやや寒かったためか、眠気はあまりなかった。途中で空が白み始める。こんな時間に起きていることなど滅多になく、旅をしていることを改めて実感した。
 村上からは酒田行きに乗り継ぐ。ここからしばらくは、笹川流れと呼ばれる景勝地だ。線路が海のすぐ近くを通っており、目の前には海岸線や奇岩、遠くには粟島が見える。車内は旅行者が多く、デジカメで車窓の風景を撮る人も何人かいた。
 線路が海から離れると、車窓は米どころ庄内の田園風景に。平凡な風景だが、東京という超のつく大都会に暮らす私にとっては新鮮だ。これは、極めて不自然で不健康な生活をしていることの証明であるとも言える。
 最初の目的地である鶴岡に着いたのは7時半を少し回った頃。朝食がまだだったので、まずは駅前にあったミスタードーナツに入った。
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2008年08月22日

懐かしの街へ

 あと数時間したら、旅に出る。1日休みを取り、土日と合わせて3連休にして、関西に帰るのである。つい2週間ほど前に帰ったばかりだが、またイベントがあるので、2度帰るのは夏前からの予定通りだ。
 当然のことながら、月に2度も帰省するとなると、財政は非常に厳しい。もちろん、出費に見合う価値のあるイベントだと思うから帰るわけだが、現代日本人にふさわしくない価値観なのかもしれない。まあ、このあたりは自分の存在の根幹に関わるところなので、直すつもりは全くないが。
 しかし、金がないというのは厳然たる現実である。そこで、今回の帰省は青春18きっぷを使うことにした。家族が使ったものが1回分残っていたので、それを送ってもらった。これで、片道の交通費は2300円で済む。
 では経路をどうするか。普通は東海道だが、何度も通ったルートであり、おもしろみがない。しかも、魅力的な観光地はほとんど駅から離れているので、何をするにも金がかかる。
 そこで、朝早く起きられたらという条件付きだが、中央本線回りで行くことにした。こちらはあまり行ったことがないし、駅から徒歩圏内に温泉などもある。列車の本数が少ないという制約はあるが、朝寝坊しなければ途中下車はできる。
 ルートは決めたが、実はそれ以上のことはほとんど決めていない。そもそも寝坊したら東海道で行くし、要するに行き当たりばったりである。1人旅だし、車内で暇に過ごすよりは途中下車駅を考えながら過ごす方が、精神衛生のためにも良いだろう。

 さて、土曜も実は夕方まで用事がない。実家で休養という手も有力だとは思うが、最近行きたくなった街があるので、そこに行こうと思う。その街とは、私が学生時代を過ごした懐かしの街、神戸である。
 神戸での思い出は尽きない。3年半という期間は今となってはそれほど長い年月ではないが、一軍戦に情熱を燃やし、麻雀を楽しみ、学業やバイトもそれなりにやっていたこの3年半は、実に貴重で実りの多い時期だった。私のアイデンティティが固まった時期であるとも言える。
 当然、ゆかりのある場所も多い。多過ぎて、どこに行こうか迷うくらいだ。とりあえず大学近辺は外せない。三宮や元町は行きやすくてありがたみがないが、神戸に行くとなるとやはり捨て難い。住吉や御影も懐かしい気分に浸れるだろう。滅多に行かなかったが、須磨や垂水に行くのも悪くない。
 おそらく、どこへ行くかは当日まで迷うことになるだろう。しかし、それはそれで悪いことではあるまい。学生時代の思い出を呼び覚まし、行先を考えつつ感傷に浸るのもいいだろう。そして、どこへ行ったとしても、それなりの感慨はあるはずである。

 今、私は単独行動の機会を減らす、すなわち独身生活を卒業するための活動を行っている。私の望みがかなえば、1人旅をすることはほとんどなくなるだろう。来年も再来年も1人旅の機会がたくさんあるならば、それは私が不本意な暮らしを続けているということだ。
 だから、今は今しかできないことを思い切り楽しむべきだろう。そのためにも、肩の力を抜いて、その場その場で適当に行動するようにしたい。単独行動の特権を生かすことが、1人でいるという現状を最大限に活用することなのだから。
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2008年04月16日

奈良へ安く行くには

 ゴールデンウィークが迫ってきた。昨年は前半の3連休のうち2日、後半の4連休の全てが休日出勤という惨状であったが、今年はどうやら順調に休めそうだ。
 さて、そうなると後半の4連休(5/3〜6)は関西に帰ろうかということになるわけだが、ここで1つ問題が発生する。交通手段をどうするかである。夜行バスは既にほぼ満席だし、渋滞が予想されるから下手をすると到着は夕方になる。新幹線は金がもったいない。青春18は使えない時期だ。
 そのような状況の中で、私は1つの案を思いついた。
「できるだけ安い手段で帰ってやろう」

 手段を調べる前に、1つの基準を設けた。新宿から奈良までの夜行バスの運賃、8400円である。夜行バスにもわずかながら空席があるので、それに近い値段でしか行けないようなら意味がない。安い手段ということはスピードを度外視しているわけで、奈良に着くのは早くても3日の夜になる。それなら、到着が少々遅れようと夜行バスの方が楽だ。
 さて、東京や名古屋といった大都市の近郊では、JRよりも他の大手私鉄の方が運賃は安い。新宿から小田原までは小田急、豊橋から名古屋までは名鉄、名古屋から大和郡山までは近鉄を利用すると安上がりだ。今はインターネットの乗換案内があるので、比較は容易にできる。
 残るはJRしか利用できない静岡県あたりだが、便利な切符があっさりと見つかった。JR東海の「休日乗り放題きっぷ」で、これを利用すれば東海道線(熱海−豊橋)、御殿場線、身延線の普通列車が乗り放題になる。料金は2600円で、熱海−豊橋間の普通運賃より660円も安い。
 これらの情報からプランを立てると、以下のようになった。

船堀発 8:17
岩本町着 8:33 秋葉原まで徒歩移動
秋葉原発 8:40 JR(160円)
御茶ノ水着 8:42
御茶ノ水発 8:44
新宿着 8:54
新宿発 9:11 小田急(750円)
新松田着 10:36 松田まで徒歩移動
松田発 10:45 JR(2600円)
沼津着 11:54
沼津発 11:58
-------この間のどこかで途中下車して昼食-------
浜松着 16:32
浜松発 16:49
豊橋着 17:21
豊橋発 17:32 名鉄(1080円)
名古屋着 18:21
名古屋発 19:31 夕食、近鉄(2070円)
伊勢中川着 20:51
伊勢中川発 21:05
大和八木着 22:11
大和八木発 22:16
近鉄郡山着 22:33

 交通費の総計は6660円で、夜行バスよりはるかに安い。途中下車の時間もそれなりに取れる(静岡県内で約2時間半、名古屋で約1時間)ので、体力的にも問題ないし退屈することも考えにくい。時間が許せば、この案を採用することにしよう。
 手段というのは意外にあるものだというのが、正直な実感である。当然、このプランは京都や大阪に行くのにも応用が利くので、暇な方は1度試していただきたい。
posted by せた at 02:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月10日

空白のエリアへ

 旅に出ようと思っている。2月中は無理そうだが、3月にはなんとか時間を取れそうだ。まだ先の話で、実現するかもわからないが、計画をあれこれ考えるのは精神衛生にも効果がある。
 そういうわけで、まずは行き先を考える。特に迷うこともなく、東北地方に行くと決めた。せっかく西日本から東日本に来たのだから、行きやすくなった所に行くのが自然だ。
 しかし、東北に行くにしても、実はけっこう制約がある。まず、スケジュール上1泊2日が限界ということだ。移動時間を考えると、青森や秋田は厳しい。
 また、比較的行きやすいエリアは、ここ数年の間に1度は行ったところが多い。貴重な機会だから、新鮮味のないところに行くのもどうか。
 いろいろ考えた結果、山形県の庄内地方を第1候補にすることにした。年に1回くらいは通るところなのだが、時間をかけて回ったことはまだない。通る時はたいてい朝早いか夜遅いかで、観光を楽しめるような時間帯ではなかったのだ。
 なぜ昼間に庄内を通らないのか。理由は夜行列車にある。東北に行く場合、たいていは新宿−新潟(数年前までは村上)間でムーンライトえちごを利用するため、それに合わせてプランを立てることがほとんどだ。
 ゆえに、庄内地方を通過するのは朝8時とか夜8時とかいった時間帯になり、より条件の良い秋田方面、あるいは新庄方面で途中下車をすることになるわけである。
 しかし、だだ通るだけではもったいないエリアであることも事実だ。温泉もあるし、城下町鶴岡や北前船で栄えた酒田も魅力的だ。時間をかけて回りたいとは前々から思っていたので、今が好機であろう。
 問題は強風や大雪でダイヤが乱れることだが、まあこればかりは仕方ない。延期か行先変更か。違う行先を考えるのも、悪いことではないだろう。
 詳細はまだ決まらないが、1日10分でも情報収集などをしていければと思う。
posted by せた at 11:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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